2009年01月30日

新刊! 朝倉かすみ『ロコモーション』

 おとなしいけど気になる人、いませんか?
 変な服を着ているわけでもなく、奇抜な動きをしゃっしゃとしているわけでもなく。
 普通。
 でも、気になる。

 なんで、あいつはあんな感じなんだろう?
  

 朝倉かすみ氏待望の書下ろし新刊『ロコモーション』は、そんな女の人が主人公。

 おとなしくて地味。そう言われたら、本人も嬉しい。
 目立つことが嫌いな性格のアカリという人の、出生から40代になるまでの半生が、軽妙に、だけど心を抉るような描写で綴られた作品です。

 最初はアカリの日常が淡々と、やもすればコケティッシュに描かれているように見えますが、次第に物語は、本人でもコントロールできない(あなた、できます? 私は、できません)人間の心の不思議さ、不安定さを照らしだしつつ、静かに暴走します。

 そこにあなたは何を感じるでしょうか?
 
 怖さか? 哀しさか? 滑稽さか? 愛おしさか? 諦念か?

 ラストシーン。
 彼女はある決断を迫られます。

 その選択は、ハッピーなのか、アンハッピーなのか?

 これまた、読む人によって受け取り方は違うと思います。

 読むのにかかった時間以上の、言葉に出来ぬ強烈な読後感が続くこと、保証します。
 うるうるする、とか、号泣する、というのではない、新手の感動が広がります。保証します。

 そうか、こういう「感動」もあるのか。
 あったんだよな、実は。


 で、読んだ人同士「どうよ、どう思うよ?」と話し合いたくなります。
 恋愛譚。人生譚。青春小説。心理劇。もしかしたらサイコサスペンス。
 『ロコモーション』の印象は、人それぞれかもしれません。
 

 『田村はまだか』で随所に見られた、おしつけがましさが全くない人間考察の鋭さに溢れた、一気読みの長編です。

 ぜひ。

(県知事)

  
posted by kappa at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。