はじめまして。
黒衣(くろこ)と申します。光文社ノベルス編集部所属の編集者です。
黒衣の名前の由来は、東野圭吾さんの痛快トリノ・オリンピック紀行『夢はトリノをかけめぐる』http://kappa-novels.com/shinkan/200605/05_03.htmlです。東野さんと珍道中を繰り広げる、やたらよく寝る編集者とは、私のことなのでした。以後お見知りおきのほどを。
今回は、8月21日ごろ発売の新刊で、担当させていただいた本を紹介いたします。注目していただけると、とても嬉しいです。よろしくお願いします。
まずは、新堂冬樹さんの異色作『ぼくの☆アイドル』。
新堂冬樹といえば、因果爆裂、倫理破砕の超絶暗黒小説を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
あるいは、純粋無垢、感涙必死の恋愛小説の書き手としてご存じかもしれません。
あらゆるエンターテインメント小説を旺盛な執筆ペースで次々と発表している新堂さんが、はじめて挑戦するタイプの作品が本書『ぼくの☆アイドル』です。
27歳の妄想青年・あきおくんの純な気持ちは、果たして彼のアイドルに届くのか!?
『電車男』のようなシンデレラ・ストーリーではないけれど、意外とまじめで一生懸命なあきおくんに微苦笑することうけあいの、ファンタジック・ニート青春小説になりました。
人気グラビア・アイドルにして「新・ブログの女王」、しょこたんこと中川翔子さんhttp://yaplog.jp/strawberry2/に推薦文にも要注目!です。
四六判ハードカバーで、税込み1575円です。
続きまして、平山夢明さんの傑作短編集『独白するユニバーサル横メルカトル』。
本年度の日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作を含む全8編を収録した超絶技巧の奇想短編集です。
平山夢明さんは、『超こわい話』などの、いわゆる実話怪談本で注目されてきた方ですが、『異形コレクション』(光文社文庫)を中心に発表してきた短編小説でも、非常に評価の高い方なのです。小説の単行本は数えるほどしか出ていないのですが、早くも熱狂的な読者を獲得しつつあります。
その圧倒的な文圧と、薄っぺらな表層のモラルを吹き飛ばすような飄々とした鬼畜描写は、まさに天才の所業。新しい才能に触れたい方は、この本を読み逃す手はありません。
綾辻行人さん、京極夏彦さんから熱烈な推薦文をいただき、柳下毅一郎さんからもコメントをいただきました。日本が誇る、無垢なる鬼畜の第一短編集、満を持して刊行です。
四六判ハードカバーで、税込み1680円です。
傾向のまったく違う二冊ですが、時機を得た面白さは保証いたします。ぜひ、書店で手に取ってみて下さい。
(黒衣)